県は3日、新型コロナウイルス感染拡大による観光客の激減が響き、2~5月の4カ月間で観光消費額が1166億8千万円の損失が出るとの推計を発表した。観光客減少による産業に広がる影響を含めた生産誘発額は、1867億6200万円の損失になると試算した。
沖縄県にとって観光業は県内経済を支える屋台骨となっており、理論上では約1万9千人の雇用が失われる恐れがあると分析した。記者会見した富川盛武副知事は「未曽有の危機に直面していると言わざるを得ない」と危機感を示した。
県は2~5月の入域観光客数が前年同期比50%減の約167万人になると見込んでおり、1人当たりの観光消費額のマイナスを試算した。
県によると、2019年の入域観光客数は暦年として初めて1千万人を上回った。だが、今年2月は前年同月比23.5%減の59万900人に落ち込み、3月の減少率はさらに拡大した見込み。
現在、那覇空港を発着する国際線はいずれも運休している。
富川副知事は、7日発表予定の国の対策費で県が求める額について「20兆円程度なら、2000億円ほどを沖縄に回してくれると助かる」と述べ、国の対策発表後、県も補完する目的で対策を公表するとした。
離島に関しては、感染症患者発生時の輸送用機材「アイソレーター」がないため「喫緊に対応する」と説明した。
県は7日以降、経済損失を抑える「止血」目的で緊急対策を実施し、次に中長期的な経済対策を実施する。富川氏は「中長期的には、観光需要の喚起、(観光客の)呼び戻しを行う。他国の事情もあるが、トップセールスで対応する」と説明した。