石垣市の石垣島徳洲会病院(池原康一院長)とかりゆし病院(境田康二院長)は6月1日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う派遣医の来島自粛で休診していた一部科目の診療を再開する。同日に来島者の移動制限が解かれ、復帰が可能になった。感染の広がりで規模縮小を余儀なくされた地域医療の中心的機関も通常の態勢を取り戻す。
診療再開の対象は徳洲会病院が循環器科と泌尿器科、整形外科、心臓血管外科、乳腺外来などで、かりゆし病院は循環器科と整形外科、神経内科のほか、乳腺外来の一部。
徳洲会病院はデイケア、デイサービス、健診センターも本格再開する。外来対応は午後診療(午後1~4時)を中止し、午前診療(9時~正午)に原則的に集約する。休止していた夕方診療(午後4時~6時半)は月、水曜限定で復活させる。かりゆし病院も科目によって診療時間を短縮する。
両病院はウイルス感染拡大による移動制限で本土、本島から派遣される専門医が来島を見合わせ、4月中旬から一部科目を休診していた。6月1日に観光客の受け入れを解禁する市の方針で派遣医の来島が促され、復帰が実現した。
石垣―本土の直行便は運休中で本土からの派遣医は那覇経由で来島する。
同じ理由で特定科目を休診した市内の一部開業医も診療を再び始める。
徳洲会病院の池原院長は「診療再開で地域医療機関の責任を再び果たすことができる。デイケア、デイサービスの復活も当事者の高齢者のほか、介護に当たる家族の負担軽減につながるだろう」と話している。