シルバーウイーク3日目の21日、竹富町の各島にも多くの観光客が訪れた。新型コロナウイルス感染症で地元住民の気にするのは来島者のマスク装着の有無。実態はどうなのか。確かめてみようと竹富島を歩いた。
午後1時、石垣港離島ターミナル発竹富島行きの定期船に乗る。定員160人の船がほぼ満席だ。マスクは全員が付けている。
島に着き、中心部の重要伝統的建造物群保存地区を歩く。レンタル自転車で移動する人が多い。スイッチが切り替わったようにほとんどの人がマスクを外し、ペダルをこいでいた。
東京から観光で来た30代の男性は「暑くてマスクをすると息苦しい。屋外や船外なら『密』にならず、外してもいいと思う」とケースバイケースを強調する。
コンドイ浜に歩を進める。若者らが海水浴を楽しんでいる。マスク装着率はさらに下がり、付けている人を見つけるのが難しかった。
中心部を観光水牛車が通る。客車の乗客は14人。いずれも付け、「密」の状況ではエチケットを守っている。
観光客の1人は「周りの人に倣う」と同調圧力に従う心理を明かす。
島内のある飲食店は入店の際、客にマスクをするよう促し、持っていない人には1枚提供する。
店主男性(53)は「夏の屋外で装着を求めるのは酷。店内でしっかり付けてもらえばいい」と装着の使い分けに理解を示す。
地元の60代女性は「安全と安心は違う。屋外で外しても医学的には問題ないのかもしれないが、感染の不安は消えない」と語っている。