石垣市は、新港地区に民間企業の進出を想定した「交流厚生用地」を造成し、港湾のにぎわい創出を図る方針を固めた。27日、市地方港湾審議会(会長・黒嶋克史商工会長)が市民会館中ホールで開かれ、石垣港港湾計画の変更を承認した。
交流厚生用地は新港地区の西南端で、既存計画では緑地が予定されていた場所に造成する。石垣港のにぎわいや交流の拠点として、民間企業からの進出要望に対応する場所となる。面積は6・8㌶。
これに伴い、既存計画の緑地は位置を変更。既存計画で泊地とされている場所の一部を埋め立て、7・2㌶の緑地を造成する。市民のレクリエーション利用や、大規模イベントのための多目的広場として利用される。泊地に面して小型船だまりを併設する。
既存計画に比べ、ふ頭用地は3・6㌶から4・6㌶に、防波堤の長さは1050㍍から540㍍に、泊地は15・8㌶から7・8㌶に、それぞれ変更される。
現在の計画は東日本大震災の直後に改定されており、避難のために地面をかさ上げする計画となっている。積み上げられた土砂が開発のネックとなる懸念があるため、現在ある64万立方㍍の土砂を緑地などの造成に投入し、土砂が積み上げられていた場所をフラットにする。
来年以降、埋め立て申請、実施設計、漁業補償などの手続きに入り、2022年以降に工事が始まるスケジュール。市は既存計画が変更される箇所について「もともと小型船溜まりが計画されていた箇所で、周辺環境への著しい影響はない。工法・工期などについて十分に検討し、監視体制のもと、環境に与える影響をより少なくするよう慎重に工事を行う」とした。
審議会に港湾計画の変更を諮問した中山義隆市長は「早急にコロナ禍が終息し、港湾に、これまで以上のにぎわいが戻ることを願う」と述べた。
審議会後、副会長の安里行雄建設部長は、港湾計画の変更案を中山市長に答申した。