住む場所が違えば、見える景色も全く違ってくる。当然のことだが、県が発表する県政重大ニュースと、八重山の行政機関や新聞社が選定した八重山の重大ニュースは「新型コロナ」を除き、ほとんど共通点がない◆県の重大ニュースに入った「首里城復旧復興の取り組み」「豚熱への防疫対応」は、八重山住民からすると、さほど身近な問題ではなかった。「米軍基地問題への対応」も、離島には米軍基地がないのだから、ピンと来ない。「高校生のバス、モノレール通学費無料化」は確かに画期的な取り組みだが、モノレールがない離島では、大ニュース扱いはされていない◆本島で開かれた観光関係のイベント2件も県の重大ニュースに入ったが、実際に出掛けた八重山住民はどれほどいただろう。県庁の「マーケティング戦略推進課設置」は、正直なところ初めて知った◆改めて「うーん」と思ったのは、県の重大ニュースに宮古、八重山の話題が1件も入っていないこと。県職員の圧倒的多数は本島出身・在住なのだから、まあ、こうなるのだろう◆本島の目線では、なかなか離島は見えない。その構造的格差をあえて乗り越え、離島の隅々まで光を当てることが「離島振興」だ。来年は今以上に、離島の目線を意識した県政運営を期待したい。 (N)