オンラインで離島の現状共有 境界地域首長ら情報交換 コロナ対策、観光、国防 JIBSN

境界地域研究ネットワークJAPANのオンラインセミナーで情報共有する首長ら=23日午後

境界地域の地方公共団体や境界地域研究に関わる研究・教育機関などを構成メンバーとする「境界地域研究ネットワークJAPAN」(JIBSN、代表幹事・西大舛髙旬竹富町長)が23日、「境界地域と感染症」をテーマとしたオンラインセミナーを開催した。竹富町をはじめ各国境離島の首長9人が各感染状況と対策、地域が抱える課題などについて情報交換した。
 参加したのは北海道の稚内市、礼文町、標津町、根室市、東京都の小笠原村、長崎県の対馬市、五島市、沖縄県の竹富町、与那国町の各首長らで、プレミアム商品券のような各種経済支援や感染予防対策など、各自治体での現状を説明した。
 このうち小笠原では、往来船乗者への無料のPCR検査を実施。経済対策として、新型コロナの影響で収入が減少した世帯に基準額(単身世帯で10万~)から各月の世帯全体の収入との差額を給付する「緊急生活支援金」を実施している。
 渋谷正昭副村長は「PCR検査は完璧ではない。水際対策は続けるが、来島者には引き続き自身での感染防止対策を呼びかけている」と強調した。
 また首長らは、各自治体が抱える環境エネルギー、人口減少、観光振興などの取り組みについても共有。
 このうち対馬では、韓国人観光客に依存していた観光体質を反省し、現在は韓国以外のインバウンド対策や国内からの入客強化を進めている。
 映画やアニメ、ゲームソフトなど、多種多様な発信手段も活用しており、比田勝尚喜市長は「聖地巡礼などで若い方の観光客も増加傾向にあるが、コロナで厳しい状況。ピンチをチャンスに変え、魅力ある観光づくりに邁進(まいしん)する」と意欲を見せた。
 小笠原では、2014年に一時期は200隻を超える中国船の違法操業があり、サンゴの密猟や漁具の破壊、廃棄物の不法投棄などの甚大な被害が出た。
 渋谷副村長は「まさか小笠原の東にこれだけの船が来るとは異常事態」と、島民が不法上陸への恐怖と危機を募らせたことに言及。
 今年4月に巡視船が配備される予定だが、「(当初)警戒態勢の強化などがすぐに決まったが、船に乗る船員の宿泊施設、港の条件整備などに7年弱。ようやく配備」と、国境離島の抱える国防という国家的課題の一端を伝えた。
 セミナーには平均して200人以上(主催者発表)の視聴者があった。

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