石垣市自治基本条例審議会(会長・新里裕樹八重山青年会議所理事長)の第3回会合が1日、市水道部庁舎で開かれ、市の条例見直しに当たり、廃止の可能性も含めて検討するよう求める方針を決めた。条例を存続させる場合でも、条例が定める「市民」の定義や、住民投票のあり方を見直すよう提言する。次回審議会で委員の意見を取りまとめ、新里会長が3月までに中山義隆市長に答申する。
条例の存廃を巡っては委員から「第一希望は廃止だ」「条例改廃を含めての議論だと理解している。条例を抜本的に見直さないといけない」と、明確に廃止や抜本的見直しを求める声が出た。
条例が自らを「最高規範」と位置付けていることに対し、委員の1人は「最高規範という言葉を使うのは、かえって市民の自由を失わせる。この表現はあってはならない」と批判。条例制定時、市議会で賛否が割れ、賛成11、反対8、欠席2だった経緯に触れ「この条例をほめそやす声もあるが、議会では満場一致ではなかった」と述べた。
条例が「市民」の定義を住民票がある人以外にも拡大していることに関し、委員からは「半グレや反社会勢力もすっぽり入ってしまう」「二重国籍のように二重市民、三重市民が出てくる。石垣市が混乱の渦に巻き込まれる」と見直しを求める声が相次いだ。
住民投票制度について委員の1人は「自治基本条例に住民投票制度を設ける必要があるのか。(住民投票が必要であれば)議会で住民投票条例が制定されるべき」と疑問視。
別の委員は、住民投票を求める署名の要件が甘いとして、同一人物の重複署名を避けるため、署名の際、マイナンバー制度による本人確認を行うことを提案した。
男女共同社会の推進に関連し、LGBT(性的少数者)の権利尊重を明記することでも一致した。