県とJCB(浜川一郎社長)は11日、県庁で沖縄の観光振興に寄与することを目的とした連携協定を締結した。協定によると、JCBが会員約1億3000万人分のデータを分析、得られた観光客の回遊や消費に関する統計情報を県に提供する。カード決済の分析データを活用した施策立案は、県として初の試み。
JCBは国内に約1億人の会員がおり、その他約3000万人が海外会員。特に中国や韓国、台湾、ベトナム、インドネシアなどのアジア圏で会員の増加が著しい。特に沖縄観光の人気が高いという。
沖縄を訪れた昨年度の観光客数は999万9千人で、6年連続で過去最高を更新。ただ観光客1人あたりの消費額は減少している。宿泊費、飲食費、交通費、娯楽・施設入場費が減少しており、消費拡大に向けた施策が課題となっている。
今回の提携では、JCBと県が協力して沖縄の魅力を発信し、訪れたJCB会員の観光客による現地消費の拡大を目指す。JCBは県内に5万店以上の加盟店があり、利用数の増加が期待できる。
提供データを活用した具体的な施策として、沖縄本島の中北部や離島などへの誘客促進や、会員への優待制度を活用したレンタカーの利用促進などが想定されている。
JCBは沖縄観光をPRするほか、カード決済で宿泊や飲食、ショッピングなどで優待を受けられる仕組みを打ち出し、利用客の満足度向上を目指す。
JCBの三宮維光専務は「おきぎんJCBの立ち上げなどで、沖縄と関わってきた。提携はうれしい」、文化観光スポーツ部の新垣健一部長は「21世紀ビジョンで掲げた世界水準の観光リゾート地の形成に向けて、世界的なブランド企業と提携できたのは心強い」と述べた。