配偶者などから身体的暴力や暴言といったDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けた経験がある石垣市民が約20%いることが、市が市民を対象に実施した意識調査で明らかになった。市は第3次男女共同参画計画「いしがきプラン」の改定に取り組んでおり、DVやセクハラの根絶に向け、若年層の啓発などに力を入れる方針を示した。
意識調査は20~70歳未満の市民2000人を無作為に抽出し、昨年9~10月にアンケート用紙を郵送で実施した。回収率は36・2%。
配偶者や交際相手などからのDVに関し「1、2回あった」「何回もあった」と回答した市民の割合は、殴る、蹴る、物を投げつける、突き飛ばすなどの身体的暴力が20・6%、人格を否定するような暴言が%だった。
本人や家族に危害を加えるような脅迫は6・5%、性的な行為の強要や避妊への非協力が12・8%、生活費を渡さなかったり借金を強要することが7・9%、交友関係の細かいチェックなどが9・4%だった。
DVにどう対応したか聞かれ「誰にも相談できなかった」と回答した割合が32・2%が最多。理由は「相談するほどのことではないと思った」「自分にも悪いところがあると思った」などが多かった。
DVを身近で見聞きしたことがあるかとの問いに「うわさを耳にした」「相談されたことがある」「身近に当事者がいる」と答えた割合は35・6%。対応は「被害者をかくまったり、家を出ることを援助した」が36%、「何もできなかった」が24・4%だった。
夫婦や恋人の間で行われた場合、「暴力」と思われる行為を10項目例示して選んでもらったところ「嫌がっているのに性的な行為を強制する」が80・8%で最多となった。
「いしがきプラン」の改定案では、2025年度までに、身近なDV被害者に対して「何もできなかった」と答える市民の割合をゼロにすることや、DV、デートDVに対する中学生の認知度を80%以上にすることなどの数値目標を掲げた。