和歌山のベテラン漁師、尖閣へ出漁 「漁業従事者認められず」 20海里超えると拿捕の可能性

日の丸を背に登野城尖閣に向けて出漁した仲さん=28日午後、登野城漁港

政治団体の国守衆と、放送局チャンネル桜(水島総代表者)の関係者ら6人が28日、石垣島に来島し、うち1人(仲康彰さん)が地元漁船「泰正丸」に乗り、尖閣諸島周辺へ出漁した。海保と水産庁職員らは、6人を漁業従事者と認めなかった。和歌山県在住で漁師として約35年のキャリアを有する仲さんは「海保及び水産庁から非常に理不尽な回答があったが、大漁を目指したい」と決意。仲さんは、海保および水産庁から漁業従事者と認められないまま出航したため、20海里(約37㌔)を超えて運航すると、船舶安全法に抵触し、拿捕(だほ)される可能性がある。
見解に食い違いがあったのは、チャンネル桜関係者らが「漁業従事者」か否か、という点。水島代表者らは、海保職員に船長との雇用契約を提示。しかし、海保は「現場レベルでは彼らが漁業従事者であるかどうか判断できない」と、水産庁に確認をとる。水産庁職員は「彼らが漁業従事者とは判断できない」と発言。
その後、2時間ほどの膠着状態が続いた。水島代表が、紀州日高漁業組合の組合員で、漁師の仲さんの組合証を海保職員に見せる。海保はまたも「彼が漁業従事者かどうかの判断ができない」とし、水産庁も「彼が漁業従事者であるかは確認できない」と同調。国交省海事局も「漁業従事者と判断することは難しい」とした。
水島代表はこの一連の対応に対して「35年のキャリアがある漁業従事者が出漁できないことが現実にあるのか。尖閣に行かせたくないとしか思えない」(水島代表)。
海保によると、船舶安全法は、漁船と確認できない船が、20海里を超えて運航すると、その時点でその船は引き返すことを強制され、船の船長が法的責任に問われる可能性があるという。
水島代表は「私は船『第一桜丸』の所有者でもある。これまで10数回尖閣で出漁した経験もある。加えて、ベテランの漁師の仲さんも漁業従事者でないと判断されたことは大変なことだ。政治的な意図を感じる。許しがたい」と話した。

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