23年供用開始へ急ピッチ 空港と市街地結ぶアクセス道路

2023年の全面供用開始に向け、整備が進む県道石垣空港線。開通すると空港と市街地まで所要時間が短縮される。左側奥に見えるのは下田原大橋=4月13日、宮良産業道路側から撮影

 南の島石垣空港と市街地を結ぶアクセス道路・県道石垣空港線の整備工事は2023年の全面供用開始に向け、急ピッチに進められている。
 県八重山土木事務所道路整備班によると、空港を行き来する国道390号線の交通量を緩和するため、21年度中に空港前交差点から市道宮良産業道路までの約2・2㌔の区間を一部供用開始する予定だ。
 県道石垣空港線は南ぬ島石垣空港の開港に伴い、空港から市街地までのアクセスの向上や既存道路の交通量の増大を減らすことなどが目的。総事業費は約191億円。
 総延長は空港前交差点と国道390号平得交差点までを結ぶ約8・9㌔。このうち21年3月時点で全体の4割に当たる3・8㌔まで整備済みだ。
 同事業は2009年度から設計や用地交渉を開始。14年度に着工、19年度に完成し、全面供用開始する予定だったが、用地取得の難航や予算確保などで大幅に遅れた。
 県は真栄里の旧空港跡地への石垣市消防本部の移転や県立八重山病院の新築移転に伴い、18年3月に平得交差点から市道タナドー線交差点前までの1・8㌔を暫定供用開始した。
 計画では、平得交差点から県道大浜富野線までの約3㌔は4車線とし、空港に至る区間は3車線、2車線道路として整備を進めている。
 工事区間に3カ所の橋梁があり、うち轟川上部に架かる下田原(しもたばる)大橋(350㍍)は20年度内に橋梁工事が終了。現在、舗装工事が行われている。
 このほか、宮良と白保2カ所に東屋と駐車スペースを設けたロードパークを整備する。
 道路整備班によると、用地取得は21年3月時点で93%に達し、残りわずかとなっており、「地権者の協力を得て、一日も早く全面供用開始できるよう努めたい」(名嘉真宜人班長)としている。
 全面開通後は、空港から市街地までの所要時間が現在の39分から16分短縮される見込みで、国道390号の交通量の低減が図られるほか、八重山病院や来年秋に開庁する石垣市役所新庁舎への北西部地区からのアクセスが向上するなど、住民生活の利便性が大幅にアップすることが期待される。(南風原英和)

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