コロナ禍が落ち着いたら、改めて考えなくてはならないだろう。昨年の「第1波」から現在の「第4波」まで、なぜ全国でも沖縄の被害が常に甚大なのか。観光地であることは確かに非常なリスクだが、国内の観光地は沖縄だけではない。やはり県民自身の問題がどこかに介在しているはずだ◆どうしても観光客が悪いというのであれば、それなりに対策はあった。「海を隔てて航空機と船でしか行けないところが、なんでこれほどの罹患(りかん)者が出るんだ」と憂慮をあらわにしたのが自民党の細田博之元官房長官。来県者全員の検査を提言し「国の政策に頼るなんて沖縄県民らしくない」と述べた◆細田氏に対し、野党議員のように「沖縄差別」と反発するだけでは、沖縄の感染拡大は止まらない。細田氏が沖縄を思うがゆえの悲憤慷慨(こうがい)なのだから、県民は真摯に受け止める必要がある◆県は水際対策として空港でPCR検査を実施しているが、希望者限定、しかも有料のため「受検者が少ない」という批判が絶えず、全員検査にはほど遠い。しかも那覇空港では2月に始まったのに、離島空港では6月開始という遅さ◆夏の「第5波」は、今度こそ阻止する。そのために県民自身が、率直に自らの問題点を検証する必要がある。