子育て、高齢者、障害者施設などを統合した「竹富島複合型福祉施設(竹富町字竹富)」の建設計画が進んでいる。21日から着手会議が始まっており、来年3月までに完成予定。主要用途は児童福祉施設と集会場。保育や子育て支援事業、介護予防などの事業に活用できる。
玄関を入ると0~5歳児まで年齢別に分けられた保育室があり、調乳室やデッキテラス、和室スペース、多目的ホールなどを備える。人々が世代や分野を超えてつながることで地域を共に創っていく「地域共生型社会」の実現を目指すという。
壁式鉄筋コンクリート造(一部木造)で、地上平屋建て。敷地面積は3778・74平方㍍。
建築工事は八建実業㈱(山城忠雄代表取締役)、設備工事は㈲東洋工業(後上里洋一代表取締役)が請け負う。建設費用は合わせて2億9562万5千円。
完成後の運営を担当する福祉支援課の通事海太郎課長補佐は「さまざまな人が施設を利用し、そこから交流が生まれる共生型社会を目指す。町民の要望に添えるような新規事業を展開していきたい」と話した。
15日に開かれた竹富町議会(新田長男議長)6月定例会では、議員から「保育室と職員室が玄関を挟んで離れているのが気になる。職員がいつでも子どもたちを見守れるように、現場職員としっかり確認してほしい」と指摘が上がった。
発注を担当するまちづくり課の宇根聖暁係長は「(ほかの地域)全てで保育室と職員室が隣接しているわけではない。地元の保育士や現場と話し合いながら計画を進めている」と説明した。
竹富島で保育士として勤務する女性は「町の職員を交えた会議に参加したが、地元の意見も細かく聞いてくれた。いい施設になると思う」と期待した。
複合型福祉施設の建設は、小浜島、西表島東部、西表島上原地区でも進んでおり、波照間島のみ既に完成、運用がスタートしている。
波照間島に住む30代の女性は「素敵な施設だと思う」と評価した上で「使い方をあまり分かっていない住民が多いイメージ。利用方法を周知したほうがいいのでは」と課題点にも触れた。
現在は利用者が少なく、職員らが地域の子どもたちに向けて物づくり体験などを提供しているという。