「西表財団」秋までに設立へ 運用資金CFで募る 環境保全活動を展開

世界遺産登録を控えた西表島(写真提供・環境省西表自然保護官事務所)

竹富町は西表島の世界自然遺産登録をにらみ、環境保全活動などを展開する「一般財団法人西表財団」を今秋までに設立するため、インターネットで運用資金を募るガバメントクラウドファンディング(GCF)を2日から開始した。
町は昨年12月に同財団の準備会を設立した。7月に世界自然遺産正式登録が見込まれる西表島だが、観光客の増加や特定の場所への利用客の集中、大量の海洋漂着ごみなど、島の自然や人々の暮らしに影響する課題が浮き彫りになっている。
中でも「適正な観光管理」は早急な対応が求められ、同会は①野生動物の交通事故対策②利用ルールの啓発(巡視、周知、講習活動)③観光利用による自然環境への影響を把握するためのモニタリング―を優先的に取り組むという。
設立費用に加え、活動に必要な運用資金は約2000万円。主に、継続的な調査や人件費に活用されるという。
このうち800万円を、地方自治体がふるさと納税制度を活用して行うGCFで募る。6日時点で40万円以上が集まっている。残りの1200万円は、企業版ふるさと納税などで集める。
財団設立時の基本財産として必要な300万円は、町議会6月定例会で可決された自然環境保全推進費を活用する。
世界遺産推進室の安生浩太主幹は「島内だけでなく西表島を愛する全国の方からサポートを得て、今まで解決できなかった島の課題に取り組みたい」と話した。
同準備会は、竹富町と環境省が事務局となり、地元関係者らを含む約50人で構成される。財団はことし秋までの設立を予定している。

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