石垣市議会(平良秀之議長)の最終本会議が21日開かれ、新庁舎建設工事請負契約に関し、地方自治法百条に基づく調査特別委員会設置を賛成多数で可決した。今議会では新庁舎建設の在り方を巡り与野党から批判が続出しており、特別委の設置には与党からも賛成者が出た。建設工事請負契約金額を約9億円3千万円増の億3299万円に変更する議案には、賛成多数で同意した。
特別委設置は野党の花谷史郎氏が提案し、採決では野党8人、中立会派未来の2人、与党の砥板芳行氏の11人が賛成し、砥板氏を除く与党の9人が反対した。
砥板氏は「今後、市が大きな事業を行う上で課題を残しており、このようなことがないよう、もう少し調査する必要がある」と述べた。
地方自治法百条に基づく特別委には強力な調査権が付与される。与野党の委員8人で構成し、委員長に花谷氏、副委員長に与党の友寄永三氏が選任された。
新庁舎工事請負契約金額を変更する議案の採決では、与党と中立会派未来の12人が賛成、野党8人が反対した。
反対討論した野党の内原英聡氏は、新庁舎屋根の赤瓦が愛知県産になったことに触れ「(県内の)生産者への敬意が感じられず、市民を愚弄している。会計監査院の監査対象になることも考えられるが、監査に耐えられるのか」と批判。
野党の花谷史郎氏は、市が契約変更の仮契約書と位置付けている変更協議書に収入印紙が貼られておらず、有効な契約書とは認められないと主張した。「文書偽造や印紙税の脱税、不正工事となりかねない」と述べ、事業者と新たに契約を結ぶか、事業者からの損害賠償請求を待って建設費の増額分を支払うべきだとした。
与党の仲間均氏は「新庁舎建設事業は検証する必要があるが、これ以上、契約変更を延滞することは市の公共性、信頼性を著しく損なう。苦渋の選択で賛成する」と述べた。
新庁舎建設工事請負契約金額は、設計の一部変更や島外作業員の渡航費計上などに伴い当初契約より増額された。このため市は契約金額を変更する議案を8月の臨時議会に提案したが2度否決され、今回が3回目の提案だった。
市議会はこの日、市提案のその他の議案をすべて可決し、閉会した。