70店舗超が接種証明活用 サービスや座席配置に工夫 石垣市

石垣市の職員が掲げる(左から)スマホに表示された接種証明、協力店募集のポスター、紙の接種証明のパネル=6日午後、市役所

 石垣市で新型コロナウイルスワクチン接種証明書や検査の陰性証明書を活用し、感染防止対策の徹底と営業活動の両立を目指す店舗が6日で73店舗になった。多くが飲食店で、独自サービス提供や座席配置に工夫をこらしている。市は、スマートフォンで接種証明を表示する仕組みを県内他市町村に先駆けて構築しており、新型コロナの影響で落ち込んだ経済の回復を急ピッチで進めたい考えだ。

 市は9月28日から、接種・陰性証明を活用する店舗に「協力店」のステッカーを配布しており、ホームページにも店舗名と活用例を掲載。それによると、入店時に接種・陰性証明を提示した客と未提示の客で、座席配置を分ける店舗が複数ある。提示した客のみ入店を認め、利用人数を制限している店舗もある。
 接種・陰性証明を提示した客に独自サービスを提供している店舗も多い。「ワンドリンクサービス」「おつまみ一品サービス」「利用金額10%割り引き」「ストラップのプレゼント」「最初のドリンクすべて半額」「特上肉一人前サービス」など、それぞれの店舗で特色がある。
 市は、飲食店が協力店登録を希望する場合、感染防止対策を徹底している店舗に対する県の認証を取得しているか確認している。
 市商工振興課の担当者は「ステッカーの配布を開始して9日間で協力店が70店舗を超したのは予想より多い。少しでも客足が戻るきっかけになれば」と期待する。
 接種証明はスマホで接種結果表示画面を起動し、接種券番号と生年月日を入力することで表示できる。接種券番号が分からない人は、身分証明書を持参し、市健康福祉センター窓口で確認できる。市によると、接種券番号の問い合わせは「日に日に増えている」という。紙の接種証明も発行している。
 市企画政策課の担当者によると、接種証明をスマホに表示する仕組みは、ワクチン予約システムを構築した際に業者側から提供されたオプション機能。市は業者側との話し合いを重ね仕組みを改良した。「同じ業者と提携している自治体であれば、どこでも同じ仕組みを使える」としているが、現時点で、県内では石垣市以外に活用例はないという。
 スマホで接種証明を表示する仕組みの普及に向け、同課の担当者は「県の予算で新たな仕組みを構築し、全自治体に使ってもらうのも一つの方法ではないか」と話した。
 検査の陰性証明に関しては、発行している石垣市の検査機関が民間の1カ所だけで、今後に課題を残している。

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