観光「量から質」論議 基本計画素案策定委が初会合 石垣市

 来年度から年間の石垣市の観光政策を示す「第2次石垣市観光基本計画」の素案検討会(会長・越智正樹琉球大国際地域創造学部教授、委員17人)初会合が25日、市民会館中ホールで開かれた。観光客数の増加ではなく、観光客の滞在日数増加や観光消費額向上を目指す「量から質への転換」をテーマに議論した。

 現行計画の期間は2011年から10年間。数値目標として①観光客数150万人②平均宿泊数3泊以上③観光消費額1050億円―を掲げた。19年度実績は観光客数147万人、平均宿泊数2・4泊、観光消費額977億円と目標に迫ったが、20年度は新型コロナウイルス禍で、いずれの数値も大きく落ち込んだ。
 市は第2次計画で、観光客の急増やコロナ禍など社会情勢の変化を踏まえ、観光の「量から質への転換」を中心的な概念に盛り込んでいく考え。
 素案検討委は有識者や観光事業者などで構成。初会合で越智会長は、観光の「質」の定義に関し「客単価の高さ」以外に「地域の価値観を共有する観光客の意識の高さ」「地域、社会への貢献に対する事業者の意識の高さ」「サービスの質の高さ」―を列挙。「どれが一番正しいかではなく、この地域ではどれに一番注力するかで選ぶしかない」と述べた。
 委員からは「観光客数を増やすのはナンセンスなので、客単価を上げるしかない」「特産品製造業者の知識や衛生管理の底上げも必要」「地元の食材を観光客が積極的に消費し、飲食店が積極的に使ってくれることが、私たちが求める質」などという声が上がった。
 市は10月19日~24日に市ホームページなどで実施した市民アンケートの途中経過も報告。86人が回答し「量から質への転換」手法として「観光客のマナー徹底」「社会貢献意識のある観光事業者への補助」が56・1%で最多だった。
 素案検討委は計4回開かれ、作成した素案を観光開発審議会に提出。審議会は年度内に市に素案を答申する。
 委員は次の皆さん。▽会長・越智正樹▽副会長・高橋秀明(市観光交流協会副会長)▽委員・山田桂一郎(内閣官房クールジャパン検討委員)、大堀健司(石垣島アウトフィッターユニオン会長)、鈴木達也(八重山ダイビング協会長)、西村亮一(石垣島クリエティブフラッグ代表理事)、平良佳子(市織物事業協同組合代表理事)、根原工(株式会社石垣島物産公社専務取締役)、赤池進(JAファーマーズマーケットやえやまゆらてぃく市場店長)、新城和彦(八重山漁協参事)、伊良皆誠(音楽創造都市石垣推進協議会代表)、黒島剛(映像工場代表取締役社長)、岩倉千花(八重山ヒト大学副学長)西仲野正巳(市観光交流協会事務局長)、金城徹(YVB専務理事)、通事太一郎(竹富町世界遺産推進室長)、山本以智人(環境省石垣自然保護官事務所上席自然保護官)

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