衆院選は31日投開票される。沖縄4区では6期目を目指す沖縄担当相の自民前職、西銘恒三郎氏(67)=公明推薦、元那覇市議会議長の立憲民主新人、金城徹氏(68)が一騎打ちの激しい選挙戦を展開してきた。自公選挙協力体制の西銘氏が議席を死守するか、玉城デニー知事を支持する「オール沖縄」勢力が奪還するかが最大の焦点。各選挙区や比例の当落は午後11時ごろから未明にかけ判明する見通し。両候補は30日、豊見城市で打ち上げ式を行い、必勝を期して気勢を上げた。
選挙戦では新型コロナウイルス対策、沖縄振興、米軍普天間飛行場の辺野古移設の是非などが争点。八重山、宮古では、離島振興のあり方も問われた。
西銘氏は自公の結束をバネに、保守・中道層の支持固めに奔走。経済界からも強い支持を受け、現職閣僚としての知名度を武器に有権者への浸透を図った。
金城氏は「オール沖縄」勢力の革新共闘体制が支持基盤。自民党の政治家として活動してきた経歴を強調し、保守・中道支持層にもアピールした。
候補者不在の八重山では選挙ムードの盛り上がりに時間がかかったものの、候補者が公示後2度八重山入りしたことで地元組織の運動も活発化。県議を中心に、市議、町議、一般の運動員らが期日前投票の呼び掛け、政策ビラ配布、電話作戦などで集票を進めた。
西銘氏は演説で尖閣諸島問題や台湾問題に触れ、先島諸島への陸自配備は必要だとして安全保障重視の姿勢を強調。金城氏は自衛隊の活動を評価した上で「住民合意なき配備に反対」として保守層にも配慮した。
公明は比例九州ブロックで前県議の金城泰邦氏(52)を擁立し、白保台一氏以来16年ぶりとなる県出身の国会議員誕生を目指す。自民と「オール沖縄」勢力の候補は比例と重複立候補している。
将来決める重要な時期
西銘恒三郎氏
沖縄は来年5月、復帰50年の節目を迎える。人口は95万人から148万人に増え、出生率は日本一高いが、県民所得は全国平均の71%。県民所得や子どもの貧困をどうするか、沖縄の方向性を決める大事な沖縄振興法をどう作るのか、重要な時期を迎えている。
新型コロナウイルス対策は気を緩めてはいけない。11月には、すべての希望する人が2回目のワクチン接種を終える。自公連立政権は、3回目の接種も準備を整えている。
11月には命と暮らしを守る補正予算を作らなければならない。来年度の国全体の予算も作らなければならない。沖縄振興、税制改正の議論もまとめなければならない。11月から12月は県民にとって極めて重要な時期を迎える。
その時に、どの候補者が仕事をできるのか、その一点で考えば、答えはおのずから、1回目の投票は西銘、2回目の比例は公明。自公連立政権の下で、沖縄担当相としての仕事を引き続きさせていただくよう、心からお願いする。
明日の投票箱のふたが閉まるまで徹底的に戦い抜き、勝たせてほしい。
子どもの未来に夢描く
金城徹氏
私は25歳から保育現場で働いてきた。政治家になってからも保育現場の経験を生かし、子どもたちが大切にされる社会を目指して頑張ってきた。
まず保育園の受け持ち定数を是正する。現場で感じた矛盾の解決に国政の場から取り組む。
30代で市議になって訴えてきたのが「子どもの未来に大きな夢を描ける社会」。
私は2014年から(前知事の)翁長雄志さんと共に、保守の立場から「辺野古新基地は、保守であってもダメなものはダメだ」と訴え続けている。辺野古に基地は造らせない。南部の土を掘り起こして辺野古の海に埋め立てることは許さない。翁長さんが辺野古新基地反対を訴え、玉城デニー知事が引き継いだが、政府の態度は冷たいと思わないか。私たちが政権につくことで、辺野古新基地建設を止められる。
周回遅れだった選挙戦だが、やっと相手候補の背中が見え、報道によれば横一線。1~4区までみんなで当選して、沖縄に寄り添わない政府に対し、沖縄の意思を示す。金城と共に最後の最後まで頑張り抜いて、政権交代を目指そう。