石垣に通信制高校設置へ 医療系大学への進学推進 23年4月開校計画

通信制高校の設置が計画されている石垣市のIT企業支援センター=13日午後

 石垣市で、インターネットによる通信制高校を設置する計画が進んでいることが13日分かった。市によると、埼玉県の学校法人が2023年4月の開校を目指し、来年秋ごろ、県に設置許可を申請する予定。通信制高校では医療系大学や専門学校への進学を推進し、将来的には大学を設置したい意向も示しているという。市は通信制高校の拠点として、IT企業支援センター(新栄町)を賃貸する方向で検討している。

 通信制高校はオンライン授業が基本になるが、卒業すれば通常の高校と同じ高校卒業資格が得られる。
 通信制高校の設置計画は、市議会一般質問で小切間元樹企画部長が長山家康氏に明らかにした。
 小切間部長は「通信制高校の新規開校、ひいては新規大学に取り組みたいという打診があり、誘致の機会を逃さぬよう調整、検討を重ねた」と述べた。学校法人側の要望と文科省が定める設置基準を満たす拠点施設としてIT企業支援センターが選ばれたという。
 通信制高校が石垣市に設置されるメリットとして小切間部長は「若者の進路の選択肢が広がる。仕送りをしなくて済むなど保護者の経済的負担の軽減も期待できる」と指摘。
 学校法人側は医療系大学・専門学校への進学を推進するための医療福祉ITコースや特別支援教育の充実を掲げている。小切間部長は「地域医療・福祉の人材を地元で育成できる」と述べた。
 生徒数は数千人規模を想定。スクーリングと呼ばれる登校日もあるため、多数の生徒や保護者の来島も見込まれるという。
 学校法人側が県に設置許可を申請するのに合わせ、生徒、教職員の募集も始まる予定で、市は、地元小中学校と連携し、必要に応じて支援する意向。
 小切間部長によると、通信制高校の場所としては当初、休校中の平久保小も検討されたが、将来的な学校再開を見込んでいることから見送られた。
 市はIT事業支援センターを学校法人側に賃貸するため、開会中の市議会12月定例会に同センターを来年8月末で廃止する条例を上程している。同センターは現在、賃貸できない行政財産となっているため、条例可決後に普通財産に変更する手続きを行う。
 一般質問で長山氏は「万全のサポートをお願いしたい」と市に要望した。

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