感染拡大、選挙戦に影 集会日程変更の陣営も 石垣市長選 2022.2.27

 2月27日の石垣市長選に、新型コロナウイルス感染拡大が影を落とし始めている。11日に予定されていた市議、砥板芳行氏(53)の後援会事務所開きが、関係者に感染者の濃厚接触者が出たため延期になった。現職、中山義隆氏(54)は16日に後援会事務所開きを予定しているが、感染防止対策のため、少数の関係者のみを招く。市長選は八重山最大の政治決戦。例年であれば前哨戦からヒートアップするが、今年は集会などの運動はある程度制限せざるを得ない状況。戦いは静かな滑り出しになりそうだ。

 砥板陣営は11日午後6時から事務所開きを予定していたが、選対関係者が濃厚接触者と判断されたため、延期を決めた。延期後の日程は未定としている。
 市長選に向けた話し合いのため、選挙関係者が最近開いた集会でも参加者に感染者が確認された。別の選挙関係者は「多数が参加する集会はもう開けないと思ったほうがいい」とあきらめ顔だ。
 沖縄では感染が急拡大しており、9日から31日までの期間、全域に「まん延防止等重点措置」が適用された。市長選は来月20日に告示されるため、選挙戦までは間があるが、実際にはあいさつ回りや懇談会など、水面下の前哨戦が本格化する時期に当たる。
 しかし出馬表明している2陣営とも、感染対策をにらみながらスケジュールを考えざるを得ない。選挙関係者からは「今まで通りの選挙戦にはならない」との声も聞こえる。
 感染拡大以降、八重山でも選挙運動は難しくなっている。2020年5月の県議選石垣市区、同年8月の町長選は現職が無投票当選した。選挙戦にならなかったのは、感染状況の悪化も理由の一つという見方がある。
 21年8月の与那国町長選は選挙戦に持ち込まれたが、その後町内では感染が急拡大し、選挙関連の集会に起因するクラスター(感染者集団)も発生した。
 21年10月末の衆院選時は感染状況が改善していたが、支持者を動員する集会は各陣営とも最小限にとどめた。

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