標柱設置、国に改めて要望 尖閣開拓の日式典で市長

尖閣諸島開拓の日式典が開かれ、中山義隆石垣市長が式辞を述べた=14日、市民会館中ホール
尖閣諸島開拓の日式典が開かれ、中山義隆石垣市長が式辞を述べた=14日、市民会館中ホール

石垣市は「尖閣諸島開拓の日」の14日、式典を市民会館中ホールで開いた。中山義隆市長は式辞で、尖閣諸島の字名変更に伴う現地への標柱設置について「国に要請したが、現在設置には至っていない。国においては標柱設置の必要性、重要性を認識し設置がかなうよう取り計らってほしい」と必要性を訴えた。また「石垣市としてわが国固有の領土である尖閣諸島をしっかりと守っていく」と改めて決意を示した。
尖閣諸島には1969年、当時の石垣喜興市長が自ら上陸し、市の行政区域であることを示す標柱を設置した。市議会は2020年の12月定例会で字名変更に伴う新たな行政標柱設置を求める決議を賛成多数で可決。昨年には石垣市尖閣諸島情報発信センターが開設され、市が製作した標柱が展示されている。
式典で中山市長は、尖閣周辺での中国艦船による昨年の領海侵入が延べ136隻、接続水域での確認日数が332日に上ると指摘。市尖閣諸島情報発信センターではパネルや歴史的資料やジオラマなどを常設展示しているとして「尖閣諸島への関心を深めてほしい」と呼び掛けた。
玉城デニー知事(代読・曽根淳県八重山事務所長)は「中国の行動は八重山圏域の住民や県民に不安を与えるもので決して容認できない。国に対して海上保安体制の強化や平和的な外交による解決を求めたい」と述べた。
自民党の岸田文雄総裁(代読・國場幸之助衆議院議員)は「我が国の領土領海領空、国民の生命財産を断固として守ることを約束する。中国の習近平国家主席には尖閣諸島をめぐる情勢など、懸案を素直に提示した。必要な防衛力を現実的に検討し、島しょ防衛を含む防衛力を抜本的に強化したい」とメッセージを寄せた。
立憲民主党の原口一博衆議院議員は「私たちは主権国家だ。(標柱柱設置は)我が国の領土に行くのに遠慮はいらない」と主張。日本維新の会国会議員団副代表の鈴木宗男参議院議員は「尖閣の領土問題はない」と強調した。国民民主党の玉木雄一郎代表(代読・鈴木義弘衆議院議員)は「党派を超えて協力していきたい」と決意を述べた。
石垣市議会の平良秀之議長、八重山市町村会副会長の西大舛髙旬竹富町長、内閣官房領土・主権対策企画調整室長の川辺英一郎内閣審議会が登壇した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で式典は規模を縮小して行われた。
尖閣諸島は石垣島から北西に約150㌔㍍に位置し、魚釣島、南小島、北小島、久場島、大正島、沖ノ北岩、沖ノ南岩、飛瀬などからなる島しょ郡。1895年に日本領土に編入されている。

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