八重山病院が外来休止 職員・患者11人コロナ感染 「第7波」で医療ピンチ

報道陣の取材に応じる吉嶺医療部長=25日午後、八重山病院

 県立八重山病院(篠﨑裕子院長)で職員や患者11人の新型コロナウイルス感染が次々と判明し、同病院は25日、一般外来を休止すると発表した。期間は5月15日まで。院内で感染者が出たことによる一般外来の制限は過去にもあったが、休止は初めて。休止中の治療は救急、化学療法、透析など、緊急的な対応に限定する。従来の流行と同様、「第7波」でも医療がピンチが追い込まれた形で、同院は住民に対し、改めて感染予防の徹底を訴えている。

 同院によると、今月21日から25日までに職員10人、入院患者1人の感染が判明した。感染源は不明だが、感染者の部署が別々であることから散発的な発生の可能性があり、院内感染やクラスター(感染者集団)か否かは現時点で判断できないという。
 感染した職員には複数の医師が含まれており、患者への対応が不可能になった。今後、感染がどこまで広がるか予測できないため、同院は25日、一般外来の休止を決めた。予約していた患者に対しては、来月16日以降に予約を変更するよう求めた。電話診療には対応する。
 現時点では5月15日までの休止だが、今後の感染状況によっては休止期間が短縮されたり、延ばされる可能性がある。報道陣の取材に応じた吉嶺厚生医療部長は「外来での受診を予定していた人は、かかりつけ医に相談してほしい」と話した。
 同院によると、院内の感染者11人は全員がワクチンを3回接種しており、無症状か軽症。濃厚接触者には毎日、抗原検査を実施している。
 オミクロン株や、その派生型による「第7波」では重症者が少ないため、従来より入院の基準は厳しくなっており、現時点で病床の逼迫(ひっぱく)は起きていない。
 同院が入院の必要性を判断するため実施している陽性者のドライブスルー受診は「第6波」では1日20~30人に上った。だが「第7波」では特に八重山保健所が必要と判断した陽性者のみ対象で、1日5人程度に減っている。
 吉嶺部長は「ワクチンの効果で重症化リスクは低いかも知れないが(未接種の)児童生徒の感染が大きく広がっている。子どもを持つ世代の若い人の接種率も低い」と指摘。「感染はまだ終息しておらず、もっと危機感を持ってほしい」と呼び掛けた。

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