竹富町が一括交付金を活用し、石垣島と各離島を結ぶ旅客船の船賃を軽減している事業について、町民アンケートで97%が「継続を希望する」と回答したことが分かった。65・4%が「船賃にかかる負担は軽減されている」と事業を評価した。町政策推進課は「住民に必要とされていないと判断されれば一括交付金は削減されるが、船賃の負担軽減は町民のニーズが大きい」と指摘。船賃の負担軽減を永続的な制度として国、県に要望していく考えを示した。
「町民等船賃負担軽減事業」は2012年度からスタート。町民が石垣島と各離島を結ぶ旅客船を利用する際、離島割引カードを提示すると、船賃の約4割が軽減される仕組みとなっている。
2021年度の事業実績は約7500万円で、国が一括交付金で8割に当たる約6000万円、町が約1500万円を支出した。
アンケートは事業の満足度を確認するため、町が今年1月17日~2月28日にインターネットや船会社、出張所カウンターで実施。205人が回答した。
船賃の負担軽減には回答者の65・4%が肯定的だったが、軽減後の船賃の水準については「満足している」42・4%、「不満」41・5%、「どちらでもない」12・7%と意見が割れた。
一括交付金による軽減後の運賃も燃料価格の高騰を受けて上昇傾向にあるため「高いと感じる」という意見が出た。
一括交付金制度が終了した場合「生活に多大な影響があるか」との問いには「はい」と答えた回答者が93・6%に達した。
離島割引カードにQRコードが導入され、チケット購入に掛かる負担が軽減されたと回答した割合は70・1%。片道購入でも町民割引が適用されることには、56・2%が「便利になった」と答えた。
町によるとアンケートで自由意見を求めたところ、旅客船は医療機関の受診や買い物などに欠かすことができない交通手段だとして、事業継続を希望する声が多かった。
21年3月に期限切れとなった沖縄振興特別措置法が2031年度まで10年間延長され、一括交付金制度も存続した。
ただ同法は5年以内に見直されることが決まっており、同課は事業が継続できるかは不透明としている。