全港湾、自宅待機を回避 協会の要請受けて判断

全港湾組合員の自宅待機が回避され、通常の荷役業務が行われた=26日午後、石垣港

 海上自衛隊訓練支援艦くろべと、米海軍の輸送揚陸艦サンディエゴ(佐世保基地所属)の石垣港入港を受け、全日本港湾労働組合(全港湾)沖縄地方本部が県内全域の港湾で検討していた26日午後からの自宅待機を回避した。港運事業者でつくる沖縄港湾協会が県、石垣市などに労働者の安全確保と、自衛隊と米軍に対して緊急時以外の港湾利用を自粛するよう要請したことを受けて判断した。県内各港湾では通常の荷役業務が行われた。
 全港湾は組合員の安全確保を理由に、両艦が新港地区クルーズバースに接岸する26日から28日の間、港湾作業員に対し自宅待機を指示することを検討していた。
 昨年3月には在日米軍のイージス艦「ラファエル・ペラルタ」が、石垣島と竹富島の間にある「検疫錨地」に停泊した際、港湾作業員に自宅待機を指示し、石垣港でストライキを決行。島内の物流に影響が出た。
 市内の港運事業者3社は25日、中山義隆市長に対し、労働者の安全確保と自衛隊と米軍の緊急時以外の港湾利用を自粛するように要請する文書と、全港湾から同協会に対して職場の安全確認をするよう指示する通知文を提出した。
 26日午前、沖縄港湾協会の要請を踏まえ、全港湾は入港期間中、定期船での自衛隊車両の輸送を取り扱わないことを条件に、自宅待機の指示を回避した。
 自宅待機を行うか否かの判断が、両艦の入港当日になったことに対し、全港湾の関係者は「行政から安全確認ができているか回答が得られなかった」としている。
 同日午後、石垣港では通常業務を行う作業員の姿が見られた。作業員の1人は「物流が滞るのは、自分たちも困る。人にも迷惑かけてしまう」と自宅待機が回避されたことに安堵の声を漏らした。

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