SDGsの理念、障害者施策に 県が第5次基本計画策定

2021年度障害者週間ポスターの県知事賞を受賞した金武銀杏さん(あげな小5年)の作品「ひろがる笑顔」。第5次障害者基本計画の表紙に選ばれた

 県は今年度から10年間の障害者施策を示す第5次障害者基本計画をこのほど策定した。「誰一人取り残さない」というSDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)の理念を推進。施策の基本方向として➀共生社会の構築➁自立・社会参加の拡大➂保健・医療・福祉サービスの充実―を掲げた。

 施策の成果を判断する指標も作成。目標年度である2031年度までに日常生活自立支援事業利用者数(20年675人)を790人に、県営住宅のバリアフリー化率(同29・8%)を41・2%に、登録手話通訳者・要約筆記者の数(同140人)を236人に増やす。
 現在、ゼロとなっているユニバーサルデザインへの対応を推進した港湾の数は8港とする。個別避難計画を策定した市町村数は20年で17市町村にとどまっているが、10年間で全市町村に拡大する。
 障害者実雇用率(同2・86%)は3・26%に、発達障害者の相談窓口設置市町村数(同18市町村)は全市町村とする。
 各施策に共通する基本的な視点は➀障害者等の意見の尊重と障害者の意思決定の支援➁障害特性等に配慮した支援➂アクセシビリティの向上➃障害者に対する差別等の解消及び共生社会の実現➄施策の総合的な推進―の5項目。
 障害者施策は「性別、年齢、障害の区分、障害の種類別や程度、健康状態等に応じた障害者の個別的な支援の必要性」を踏まえて実施すると明記した。
 県は21年9月に開いた県障害者施策推進協議会に同計画策定を諮問。協議会は4回の会合で計画案を取りまとめ、今年3月、県に答申した。今年2月にはパブリックコメント(県民意見募集)も行った。
 協議会は生涯当事者、社会福祉関係団体、学識経験者、行政機関の委員で構成され、行政機関の委員として竹富町から職員が参加した。

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