石垣市が「まきらこども園」(新垣由子園長、園児52人)と「みやまえ幼稚園」(磯部大輔園長、園児7人)を2025年3月に閉園する案を進めていることが分かった。閉園の理由として、周辺に公立や民間の教育保育施設が整備され、子どもたちを受け入れる環境が整ったことや、津波災害警戒区域の立地、園舎の老朽化を挙げた。2日、まきらこども園で保護者と地域住民対象の説明会が開かれ、市が経緯を説明した。
6月に行われた石垣市立幼稚園・保育所あり方検討委員会(南風野哲彦委員長)で公立保育施設の再編等の見直しが行われ、2園を閉園する方向性を確認。在籍する園児の保護者や地域住民向けの説明会が複数回行われている。
説明会で、同委員会副委員長を務める石垣市こども未来局の石垣やよい局長は「保育ニーズの変化により、近隣には幼児教育・保育施設の整備が進んだことや、まきらこども園の園児が年々減少している現状がある」と説明。
園舎の立地が基準水位2㍍以上5㍍未満の津波災害警戒区域となっており「津波被害への対策、子ども達の津波に対しての安全なものにすることが理由」と理解を求めた。
毎月開催されている避難訓練では、避難場所のロイヤルマリンパレスまで15分以上かかるなどの課題があったという。
現在在園している3歳児が卒園するまでは園を継続させる。段階的に2023年度に3歳児の新規受け入れ停止、24年には3、4歳児の新規受け入れを停止し、5歳児が卒園する25年に合わせて閉園する。
在園する園児に兄弟がいる場合は保護者の負担軽減の観点から、特例で3、4歳児も受け入れるが、上の兄弟の卒園に合わせて転園の手続きを取る。
こども未来局子育て支援課の田福雪恵さんは「在園する園児に安心して登園いただき、兄弟がいる場合の在園も配慮しているので安心してほしい」と理解を求めた。
みやまえ幼稚園は園舎の老朽化やまきらこども園と同じく周辺の教育保育環境が整備されていることが理由という。
正式な閉園決定は次年度の新規申し込みが10月3日からとなるため、それ以前に市長決済を経て正式に閉園決定となる予定。