「すまむに」継承へ 小学生や外国人も参加

 第10回すまむにを話す大会(主催・石垣市文化協会)が17日午後、市民会館中ホールで開催され、小学生や外国人、高齢者など12人(11組)が日常生活や昔話を八重山方言の「すまむに」で発表した。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催で、「すまむに」の普及継承を図るのが目的。7月末の開催予定だったが、感染拡大のため延期されていた。

 参加者は四カ字や与那国、鳩間、大浜、平得、黒島の各方言で日常生活や昔話を話した。
 今回最年少の参加者は、与那国小4年の田頭一君(9)。祖父との日常を与那国方言で紹介した。大会終了後「最初は緊張したが、話し始めたら気が楽になった。今後も方言の勉強を続け、5年生までにはもっと話せるようになりたい」と意気込んだ。
 大会にはオランダ人のエリック・ファンラインさんとアメリカ人のマシュー・グェイさんも参加。市在住のエリックさんは四カ字方言で16世紀に西表島を訪れた西洋人についての考察をスピーチした。大会終了後、「大会開催で(八重山の)アイデンティティーが保護される」と述べ、「言葉は文化に繋がる。失うのは、もったいない」と呼び掛けた。
 神奈川県藤沢市在住のマシューさんは2年ほど前に八重山を訪れた際、「すまむに」に触れて興味を持ったと四カ字方言で語り掛け、「島民が普及継承に力を入れるべき」と訴えた。大会終了後、「『すまむに』を大切にする人たちと出会えるため、参加した」と喜んでいた。
 大会終盤では、唱歌「故郷」の歌詞を変え、八重山の島々と地域の言葉、行事をたたえる歌を参加者と来場者が歌った。約120人が来場した。
 大会事務局は来年度の「しまくとぅば語やびら大会」に石垣市、竹富町、与那国町から1人ずつ今大会の参加者を派遣する予定。
 「すまむに」について国連教育科学文化機関「ユネスコ」は、話者の高齢化や減少で、消滅の危機にあると認定。県は「すまむに」を含む沖縄方言「しまくとぅば」の普及・継承策として、県文化協会とともに「しまくとぅば語やびら大会」などを開催するなど支援している。
 市文化協会は13年前、すまむに部会を設立。「すまむにを話す大会」を開催し、八重山郡民が各地域の「すまむに」を話す機会を提供してきた。
 来賓あいさつで中山義隆市長は「公民館単位で『すまむに』を教えられるようにしたい」と述べ、来年度予算案に盛り込む考えを明らかにした。

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