第5回宮良當壯賞授賞式・祝賀会(主催・八重山日報社)が18日、市内ホテルで開かれ、八重山文化研究会顧問の石垣繁氏(85)が表彰された。会場には関係者が大勢詰め掛け、石垣氏の功績をたたえた。石垣氏は「栄えある賞をいただいた。當壯先生の思いをひしひしと感じて毎日を過ごしている」と感謝の言葉を述べた。
宮良當壯賞は①八重山や沖縄の言語・文学・芸能の研究に顕著な業績を挙げた人②八重山地域の祭祀、文化の継承に大きな役割を果たした人―に与えられる賞で、石垣島出身の言語学者である宮良氏にちなみ、八重山日報社創刊40周年を記念して創設された。
石垣氏は長年に渡り、八重山の言語を出発点に歌謡・民俗研究の道を歩み、2017年に八重山諸島の稲作儀礼と民俗」を刊行。19年には「八重山民話の世界観」を発行し、歴史的事件と伝説の関係性について論じた。
宮良氏や八重山学の父である喜舎場永珣氏の先学を顕彰する「甘きいずみ、喜舎場永珣生誕百年記念誌」、「宮良當壯記念論集」の刊行にも尽力。八重山研究の牽(けん)引者として高く評価された。
石垣氏は「親島の波照間や石垣方言を語彙集の作成に精励している。毎日方言を聞いて楽しい思い。宝の島にいられる幸せを思いながら生きていきたい」と抱負を語った。
授賞式では選考委員会の狩俣恵一委員長が石垣氏の功績を紹介。八重山広域市町村圏事務組合副理事長の前泊正人竹富町長、玉城デニー県知事の代読で曽根淳所長の祝辞もあった。
祝賀会の部では、教育委員会の金城綾子氏が祝辞を披露。石垣市議会の平良秀之議長が乾杯の音頭を取った。
親族代表であいさつした石垣栄一氏は「緻密なフィールドワークの実践と数多くの文献も含めた民俗調査研究が世に認められ、賞に至った。石垣家、白保の誇り」と称えた。
石垣氏の親戚や白保の有志が舞台上の余興で花を添えた。