与那国でミサイル避難訓練 サイレン鳴り、緊迫感漂う

避難する住民=11月30日午前、嶋仲自治公民館

台湾から約110㌔の距離にある日本最西端の与那国島で11月30日、他国の弾道ミサイル発射を想定した住民避難訓練が初めて実施された。政府、沖縄県、与那国が主催。島内ではサイレンが鳴り響き、緊迫感が漂った。8月には中国が台湾を包囲する軍事演習を行い、島から約80㌔の海域に弾道ミサイルを着弾させたばかり。台湾有事が発生すれば、島への影響は不可避とされる。

弾道ミサイル発射に備えた避難訓練は県内で初めて。「X国」がミサイルを発射したとの想定で、住民22人、消防団3人、警官1人の計26人が参加した。
想定によると、町の祭事の際、上空を通過するミサイルの発射が確認された。午前10時4分、防災無線のサイレンが鳴り、Jアラートの放送でミサイル発射を警告。駆け付けた警察官が「建物の中に避難して下さい。窓から離れて」と大声で呼び掛けると、親子連れなどが足早に嶋仲公民館の建物内に避難した。
住民は倉庫の中やトイレの前で、数分間、安全のため頭を抱えて座り込んだ。
訓練に参加した真地陽子さん(52)は「今回は訓練だったが、本当に発射された場合、10分以内に避難できるのか。難しい。日ごろから逃げる場所を考えておく必要があると分かったので良かった」と話した。
訓練開始前の午前9時には、公民館内で事前勉強会を国が開催。弾道ミサイルの概要やJアラート・Mネットなどの情報伝達手段、住民が取るべき行動などを解説した。
国の担当者は「弾道ミサイル飛来はあってはならないが、国際情勢や欧州情勢を見ると現実の危機だ。万が一の備えとして訓練している」と住民に理解を求めた。警報が鳴った際は建物の中や物陰で伏せるようアドバイスした。
同様の訓練は今年9月から来年1月にかけ、9道県の計11市町村で行われる。県内では来年1月21日に同様の訓練が那覇市でも行われる予定。

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