キビ搾りかすでタンブラー 石垣の新たな特産品目指す DM三井製糖

運び込まれたサトウキビの製糖作業が行われている石垣島製糖=2021年1月13日、(資料写真)

 DM三井製糖株式会社(森本卓代表取締役社長)は19日、グループ会社である石垣島製糖株式会社(西村剛志代表取締役社長)の工場から出たサトウキビの搾りかす「バガス」を活用したタンブラー(コップ)の販売計画があると明らかにした。石垣島のサトウキビを新たな特産品に生まれ変わらせるユニークな取り組みになりそうだ。

 砂糖を製造する際に発生するバガスは、県内で約2万5千㌧あると推定され、現在は工場の焼却燃料等への利用や地域農家に肥料として提供されるなどしている。DM三井製糖は余剰分のバガスを有効活用するため、タンブラーの製造を計画した。
 タンブラーはバガス55%、ポリエチレン45%のバイオコンポジット製品となる。将来的にはポリエチレンの素材を海岸に漂流する海洋プラスチックや廃棄プラと代替し、原料調達から製造、販売までを島内で完結する仕組みを考えているという。
 商品は「琉球びんがたさとうきびタンブラー」として販売。本体や化粧箱にブーゲンビレアの柄、紅型の装飾などを想定している。8、9月ごろに土産店などでの販売を目指しており、価格は3000円程度としている。
 同社ライフエナジー事業開発本部・事業開発部の西木健二チーフは「石垣島を取り巻く環境に対してできることを、石垣島製糖と一緒に考えて活動したい。消費者にメッセージを伝えることをテーマに取り組みを進め、観光客への土産(みやげ)品などとして地域に還元し、地元の活性化につながれば」と期待した。
 石糖の西村社長は「(サトウキビのバガスを)土産品にすることで石垣もアピールできる。海岸漂流物から抽出したプラとバガスで商品ができれば、島内完結型のお土産になる」と強調した。
 同社は昨年10月1日に三井製糖㈱と大日本明治製糖㈱が合併して誕生し、砂糖事業を主軸にライフエナジー事業などを展開。国内の製糖工場で約4割のシェアを確保している。
 これまでも地域社会への支援活動として、石垣島トライアスロンへの協賛やサトウキビ生産体験などを行っている。

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