八重山初EVバス、3月稼働 世界遺産の島で自然と共生 西表島交通

西表島交通が導入し、試乗会も行われた電気(EV)バス=3日、西表島

 西表島交通株式会社(玉盛雅治代表取締役)は3日、大原港前で県内2台目となる大型電気(EV)バスのお披露目会と由布島までの試乗デモンストレーションを行った。バスのEV化により、CO2排出や燃料費の大幅な削減が見込まれている。電気バスは3月中旬ごろからEV路線バスとして使用される予定。

 同社は自然保全の取り組みの一環として「脱炭素」を打ち出し、西表島の世界自然遺産登録を機に、バスのEV化に取り組んできた。
 EVバス車両(型番・K8)は全長10・5㍍、幅2・5㍍、高さ3・3㍍の大型バス。
 座席数は27席、跳ね上げシート8席、立席39席、運転席1席の計75人乗り。
 バッテリー容量は287㌔㍗で、航続距離は220㌔。西表島の路線バスは片道50㌔、往復100㌔を走行するため、1度の充電で1日2往復の走行が予定されている。会社内にEVステーションが設けられており、約4時間半で80%程度の充電が可能になるという。
 各座席にはUSBジャックも搭載し、5月以降は三井住友カード提供のVISAタッチ決済も導入する。
 外観は西表島を象徴するイリオモテヤマネコを前面に、右側面には陸の生物、左側面には海の生物が描かれている。
 いざという時の災害時には電源供給ステーションや冷暖房完備の避難所としての役割も期待されている。
 西表島交通の玉盛雅治代表取締役はお披露目式で、同社の自然保全の取り組みを紹介し、「これからも世界自然遺産の島で、企業としての在り方を模索し、謙虚に取り組みを続けていきたい」と意気込みを語った。
 前泊正人町長(代読・大浜知司副町長)は「郡内初となる、環境配慮型のEV路線バスの導入は、西表島の自然環境に適した先進的な取り組み。住民生活や観光客の利便性向上につながる」と期待感を示した。
 試乗は由布島までの往復約20㌔を走行。関係者ら約30人で真新しいバスに乗り込み、電気で走る低騒音の走行を体感した。
 試乗を終え、玉盛代表は「(世界自然遺産の登録から)1年4カ月かかったが、電気バスの導入できたことに感動している。これから西表島は脱炭素社会、自然との共生をしていかなければならない」と抱負を述べた。

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