八重山地方は梅雨入り後も記録的な少雨が続いている。5月の石垣市の降水量は平年の30%、与那国島では18%。台風2号では、石垣島地方気象台発表の台風情報に大雨警報発表の可能性に触れていたが、まとまった大雨にはならなかった。から梅雨はいつまで続くのだろうか。
沖縄気象台は、5月18日に沖縄地方の梅雨入りを発表。梅雨前線が沖縄本島に停滞し、那覇市では大雨になったが、前線から南へ離れた八重山地方では晴れていた。以後も石垣島ではまとまった雨は降らず、5月の月間降水量は57・5㍉。平年(190・7㍉)の30%にすぎず、梅雨入りした18日以降に限れば、23日0・5㍉、28日1㍉、台風2号が接近した30日8・5㍉、31日20㍉で、計30㍉だ。
この傾向は与那国島も同じで、5月の月間降水量が37・5㍉で平年(207・3㍉)の18%だった。
石垣島地方気象台の渡口治防災気象官は「太平洋高気圧と大陸からの移動性高気圧の間にできる前線が通常より北に位地してバランスがとれた状態にあり、八重山地方は前線や低気圧の影響を受けにくかった」とみる。
■台風2号襲来でも変化なし■
台風2号が八重山地方に最接近した6月1日でも石垣島の降水量は24ミリ、与那国島31・5㍉。同気象台では、5月31日夜の時点で、6月1日午前0時からの24時間降水量を多いところで石垣島120㍉、与那国島60㍉と予想。警報級の大雨となる恐れがあるとして注意を喚起していた。
渡口気象官は「大雨をもたらす台風周辺のスパイラル状の雲域が八重山地方にもかかってくる可能性があったが、台風が北上するうちに偏西風を受けて進路が東寄りになった。台風の西側に位置した八重山では雲域から離れ、予想より雨は少なくなった」と解説する。
では、から梅雨傾向はいつまでつづくのだろうか。沖縄気象台が1日に発表した1か月予報では、1週目(3日~9日)は前線の影響を受けにくく、平年にくらべ、曇りや雨の日は少ないが、2週目(10日~16日)は、湿った空気の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多いと予想している。
■少雨続けば農作物に影響■
この状態が続けば、農作物への影響が懸念されるが、石垣市農政経済課によると、市内5カ所のダムが機能し、灌漑設備も整備されているため、今のところ農作物への影響はないと楽観視している。
とはいえ、7月下旬まではパイン、6月からはマンゴーが収穫期に入るため、この少雨が今後も続けば厳しい状態になると、空模様を注視している。