防衛省は9日、領空侵犯の恐れがある外国機に対し、航空自衛隊の戦闘機が4~9月に緊急発進(スクランブル)した回数は371回だったと明らかにした。前年同期に比べ99回減った。対象は中国の234回が最多で、同98回の減少。ロシアは134回で1回減った。領空侵犯されたケースはなかった。
中国機の飛行パターンでは、石垣市の尖閣諸島周辺海域にほとんどの飛行が集中。沖縄本島―宮古島間を抜けて東シナ海と太平洋を往復する飛行もあった。沖縄周辺で中国軍の活動が活発化している実態が改めて浮き彫りになった。
岸信夫防衛相は、9日の記者会見で「中国軍、ロシア軍の活発な活動は継続している。動向を注視していく」と述べた。
防衛省によると、中国機の飛行は東シナ海、ロシア機は日本海と北海道周辺で多かった。
空自の航空方面隊別では、那覇基地に司令部があり、尖閣諸島周辺などを担当する南西航空方面隊が194回で最多だった。
空自の緊急発進は19年度は947回(前年度比52回減)、うち対中国機は675回(同37回増)だった。