28日の石垣市議会一般質問で与党の友寄永三氏は、小中学校で行われている平和教育で尖閣諸島の現状や、自衛隊が平和構築に果たしている役割についても触れるよう提言した。「自衛隊が来ると『戦争になる』『平和のため必要』という両方の考え方があることも教えてほしい」と求めた。
石垣市には、尖閣諸島を守るため海上保安庁が組織した専従部隊の拠点がある。3月には陸上自衛隊の駐屯地も開設された。
友寄氏は「そういう状況がありながら、それを全く平和学習に生かさないのはどうなのか」と疑問視。「(海保が)尖閣を守っていることを子どもたちが分からないのは、教育として偏りがあるのではないか。なぜ石垣市に自衛隊の駐屯地ができたのか、平和を語る上で欠かせない論点だと思う」と述べた。
戦争の悲惨さを強調する従来の平和教育を継続しながらも「違う平和学習を打ち出していいのではないか」と指摘した。
市教委の天久朝市教育部長は平和教育の教材について「児童生徒の発達段階や、地域の特性、多様な実情に応じて、学校において判断されると認識している」と答弁。
友寄氏は「ロシアとウクライナの問題があった。万一こういうことが起きた場合、どうするのかということは投げかけてもいい。それこそ平和教育ではないか」と重ねて提起した。
﨑山晃教育長は「ウクライナの問題を大人が断言するのは構わないが、紛争の最中にあるものは、なるべく授業で使わないようにと伝えている」と否定的な考えを示した。友寄氏は「何かの答えを見つけようとしているわけではない。自由に発想させることが必要だ」と応じた。