石垣市は、家庭から出るごみを埋め立てる一般廃棄物最終処分場を新たに整備するため、今年度中に候補地を絞り込む方針だ。9月には基本計画策定に着手し、施設規模などの検討作業を進める。2028年度か29年度には、新たな処分場の供用開始にこぎ着けたい考え。現処分場は現在のペースだと30年ごろには満杯になると見られている。
市は新たな処分場の整備に向け、昨年、庁内で副市長を委員長とする用地選定委員会を設置し、候補地を3カ所に絞り込んだ。土地利用に関する規制がなく、一定の面積があることなどを候補地の条件とした。3候補地の評価をそれぞれ点数化し、1位から3位まで順位も付けた。ただ3候補地に関する情報は公表していない。
今年度は基本計画策定作業の中で、候補地をさらに1カ所に絞り込み、選定後に公表する。年明けには周辺住民を対象とした住民説明会を開催する。
現在、市環境課は基本計画策定の委託業者をプロポーザル方式で公募しており、8月24日には応募者のプレゼンテーションを行う予定。
業者を決定後、9月上旬には委託契約を締結し、来年3月までに基本計画を策定。その後は24年度に基本設計、24~25年度に環境アセス、25年度に実施設計、26年度か27年度に着工というスケジュールを立てている。
現処分場は、埋め立て地がフェンスで囲われているだけの「オープン型」だが、新処分場に関しては基本計画策定作業の中で、屋根や壁で埋め立て地を覆う「クローズドシステム型」も検討する。台風時のごみ散乱を防止できるなどのメリットがあり、このタイプは全国的に増えているという。
現処分場の埋め立て容量は99年度の整備当時、約14万立方㍍だった。だが現在進めているかさ上げや、ごみの掘り起こし工事で約4万立方㍍のスペースが新たに確保され、延命化が図られる。
市環境課によると現在、年間約5千立方㍍のペースで埋め立てが進んでいる。クリーンセンターの基幹改良工事が完了する26年度以降は、燃やさないごみの3~4割を占める廃プラ類の焼却も可能になるため、埋め立て量を減らせる可能性がある。
新処分場の基本計画でも、廃プラ類の焼却を前提に、埋め立て地の必要面積などを推計する。同課の担当者は「ごみの分別方法を見直しながら埋め立て量を減らし、管理しやすい処分場を造っていきたい」と話した。
新処分場の完成後、現処分場に関しては、新たに跡地利用を検討することになる。他の自治体では公園化する事例が多いという。