サンゴの保全活動を全庁横断で行うため、石垣市は15日、庁内連携チームを設置した。石垣島と西表島の間に広がる国内最大規模のサンゴ礁域「石西礁湖」の保全や利活用を推進するため、施策提案、情報共有を図る。象徴的なキャラクターとして関係部署8課の各課長がシン・サンゴレンジャーを結成するパフォーマンスもあった。
現在、地球温暖化などの影響でサンゴの減少や白化が問題となっている。中山義隆市長も今年の施政方針で「白化対策を関係機関と共に取り組む」と示しており、5月30日にサンゴ保全チームの設置要綱を制定した。
環境課、水産課、観光文化課など8課が参加した庁内連絡協議会と、各課職員によるワーキンググループは、まちづくり寄付金活用事業などを使った新たな施策の実行、人材育成や保全機運の向上、石西礁湖自然再生協議会との連携を図っていく。
短期的には今月、職員研修やロゴコンテストを開催。自然再生協議会にも参画し、学識経験者との意見交換を行う。中長期的(来年度以降)には、サンゴ保全「指標」の設定、評価の導入なども検討する。
中山市長は15日の記者会見で「サンゴ礁を保全し持続可能な利用を進め、次世代に継承するのは私たちの責務」と述べ、環境省と連携して取り組みを進めるとした。
記者会見に同席した石垣自然保護官事務所の山本以智人氏は「地球温暖化と社会活動の影響で、サンゴは世界的に減少しており、八重山も例外ではない」と説明。畜産業を例に、牛のたい肥を化学肥料の代わりに使う循環型農業の普及を図るべきと提言し、市役所と各業界団体が協力して取り組むべきとした。
市は今後、石西礁湖の保全について、竹富町との連携も視野に調整を進める。
市の担当者は「石垣島周辺にあるほかのサンゴ保全にも関心が広がれば」と期待した。