北朝鮮が「人工衛星」と称するミサイルを24日午前3時54分に発射。上空を通過する可能性があった石垣市では防災危機管理課の担当職員が情報収集など対応に追われた。被害はなかったが、北朝鮮は10月の再発射を予告しており、警戒を続けることになる。
Jアラート(全国瞬時警報システム)が発出された直後の4時10分頃に幹部を含む職員5人が登庁。自衛隊、警察などと連絡を取り、市内の被害情報などを収集した。自衛隊は連絡要員として陸自隊員2人を市役所に派遣。「ミサイルは石垣島上空を飛んでいない、PAC3による迎撃はしていない」と報告した。県警は4時20分に県内で被害報告はないと確認した。
4時23分に防災無線で職員が避難解除を呼びかけた。防災危機管理課の具志堅広一課長は「被害があれば市の対策本部メンバーが集まることになっているが、被害はない」と安どの表情を浮かべ、午前5時半に課員1人体制に移行した。
中山義隆市長は24日まで島外に出張中のため、翁長致純総務部長や具志堅課長が指揮を執った。
竹富町は防災無線と公式LINEで住民に屋内への避難を指示。その後、解除を伝えた。町の公式ホームページでは4時20分までに避難解除が公表された。
与那国町では、発射を通知するJアラート後、4時00分に防災無線で住民に避難を、同15分に避難解除をそれぞれ呼び掛けた。糸数健一町長は北海道に出張中で不在。呼び掛けは総務課の洲鎌浩二課長補佐が対応した。
ミサイル発射に伴う落下物などは確認されていないため、八重山3市町は通常通り午前中から業務を開始した。
北朝鮮は発射期間を8月31日までと設定し県も対策本部の設置を継続するため、八重山3市町も現状の危機管理体制を継続する。