中国政府が石垣市の尖閣諸島周辺などで設けた禁漁期間が16日に明けたことを受け、尖閣周辺海域では連日、多数の中国漁船が確認されており、24日午前7時の時点では約150隻の中国漁船が操業していることが分かった。第十一管区海上保安本部の島谷邦博本部長が同日、那覇合同港湾庁舎で行った記者会見で明らかにした。海保は警備体制を強化して対応しており、中国漁船による領海侵入などの違法操業は確認されていないという。尖閣周辺海域では中国海警局の艦船4隻も常駐しており、国境警備に当たる海保の負担が増している状況と見られる。
十一管によると、中国政府の漁解禁以降、尖閣周辺海域では1日当たり数十隻から百数十隻の中国漁船が確認されている。中国漁船は尖閣諸島の北側から西側の接続水域に密集しているという。
十一管は「警備体制を強化している」と説明しており、巡視船を増派して対応していると見られる。
島谷本部長は「違法操業の疑いがある外国漁船を確認した時は退去警告を行い、領海外に退去させることにしている。国内法にのっとり、適切に対応している」と強調した。
中国海警局の艦船も尖閣周辺の接続水域で航行を続けている。23日には南小島周辺で4隻が領海に侵入。巡視船が領海からの退去要求や進路規制を繰り返し行った。中国海警局の艦船は尖閣周辺に出漁する日本漁船を追跡して領海に侵入することが多いが、この日は尖閣周辺で日本漁船は確認されておらず、領海侵入は中国海警局による示威行為と見られる。
さらに、24日には北朝鮮が事実上の弾道ミサイルを発射。ミサイルは沖縄上空を通過したと見られる。記者会見で島谷本部長は十一管の対応について「対策本部を設置し、航空機と巡視船で船舶の安全確認を実施している」と述べており、海保が沖縄周辺の海を守るため、多方面で奮闘している状況だ。