旧盆入りした28日、市内では、あの世から戻った祖先とされるウシュマイ(爺)とンミー(婆)がファーマー(子や孫)を引き連れて家々を回る伝統行事「アンガマ」が始まった。道ジュネーでは、地域住民が集まり、訪問先ではウシュマイとンミーが仏壇に手を合わせ、地域住民と問答を繰り広げた。
新川青年会(多宇睦重会長)は、数十人のアンガマ一行が新川地区を巡った。
午後7時前、最初に新川字会の唐眞盛充会長(71)宅を訪れ、ウシュマイとンミー、ファーマーが居間に上がり、仏壇に手を合わせた。
続いて、ウシュマイによるニンブチャーで座開き。続いて、ファーマーが「鷲ぬ鳥節」や「めでたい節」などの伝統舞踊を次々と披露。合間に、ウシュマイとンミーが問答を繰り返した。
問答では地域住民が新型コロナウイルス禍から脱し、4年ぶりに豊年祭を通常開催できたと報告。ウシュマイとンミーは求めに応じ、続けて子孫繁栄も願った。
近所の子どもが「お盆はなぜあるの」と問い、ウシュマイとンミーは「家族や先祖と共に食事をするため」と答えた。「上を向いて歩くべき。嫌なことがあっても下を向いてはいけない」と集まった住民に諭した。
近所に住む池村睦さん(37)は子どもと見に来た。「アンガマを見ると、旧盆が来たことを実感できる」と笑顔を見せた。
唐眞さんはアンガマが去った後、「豊年祭の終了をねぎらってもらったので、感謝した。夏の大きな行事が一段落した」と話した。
アンガマは29、30日も市内の各家庭や事業所などで行われる。