「尖閣アカマチ」注文伸び悩み 安価なコース新設でPR ふるさと納税

ふるさと納税のサイトに掲載された「尖閣アカマチ」をPRする画像

石垣市が8月から、ふるさと納税の返礼品に尖閣諸島周辺海域で獲れたアカマチを加えたが、注文数は今月21日現在で25件、約50㌔分と伸び悩んでいる。市は10月15日でいったん注文を締め切り、八重山漁協に出漁を依頼するが、現在の注文数では漁業者が赤字に陥る恐れがあるという。市は注文数を増やすため、より安価で尖閣アカマチを注文できるコースを新設。「ふるさと納税を通じ、尖閣周辺で漁をする漁業者を支援してほしい」とPRする。
市が8月、ふるさと納税の返礼品に尖閣アカマチを加えた当初は、10万円でアカマチ2尾約5㌔のコースしかなかった。1カ月近く経過した時点で、注文数は4件のみ。注文数の低迷は、周知不足に加え、寄付額が高額であることがネックになったと見られる。
市は今月7日から、新たに5万円(アカマチ約2㌔)、3万円(アカマチ約1㌔)のコースを新設。これを受けて注文数は少しずつ増え始め、21日現在の注文数は3万円のコース17件、5万円と10万円のコースがそれぞれ4件となっている。
冬になると天候が荒れ出漁が難しくなるため、市は10月15日で注文をいったん締め切る。八重山漁協は、早ければ10月中にも尖閣海域への出漁を計画する。
八重山漁協によると、出漁するのは一本釣り研究会のメンバー。石垣島から尖閣周辺海域までは約170㌔の距離があり、1往復で約10万円の燃料費がかかる上、漁業者の人件費も必要になる。赤字を出さず、一定程度の利益を確保するには100~200㌔の水揚げが必要という。
尖閣周辺に出漁した漁業者は、水揚げしたアカマチを市に納品し、それ以外の魚種は通常のセリに出す。それでも赤字になった場合、市は漁業者に対し、1航海当たり上限10万円の補助金を出す。
市議会9月定例会で19日に可決された一般会計補正予算には、今年度の3航海分として30万円の補助金が盛り込まれた。
中山義隆市長は市議会での質疑で「(注文数が)一定量を越えないと燃料費が負担になって漁に行けないという声があった」と補助金を支出する理由を説明。悪天候などで出漁しても十分な水揚げが確保できない場合については「再度、補助を出してでも漁に行ってもらう」と述べた。
市のふるさと納税はふるさとチョイス、楽天ふるさと納税、ふるなび、JAL、ANAのふるさと納税のサイトで取り扱っている。海域の状況によって、注文から配送までに時間を要する場合があるとしている。

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