石垣市のふるさと納税の返礼品となる「尖閣アカマチ」が6日午前、石垣漁港で水揚げされた。八重山漁協所属の船1本釣り漁船「Zenkoumaru②」(名嘉秀三船長)が約400㌔の尖閣アカマチを確保して帰港した。市が8月から10月15日までに募集した注文分(146・5㌔)を大きく上回った。アカマチは漁協内で梱包され、年内には発送され寄付者の手元に届く予定。
名嘉船長の漁船は3日夕方に出港し、尖閣諸島・魚釣島から約10㌔南西付近に錨を下し滞在。「いつも釣っている場所にアカマチがいなかったので、アカマチの背を探した。5日は潮が荒かったが、4日に返礼品に必要な量は獲れたので良かった」と、任務を果たし、無事帰還したことに安どの表情を見せた。
尖閣諸島周辺で操業する間、周辺では領海侵入して来た中国海警局の艦船が見えていたという。「海上保安庁の巡視船がガードしてくれたおかげで、トラブルなく活動できた」(名嘉船長)と海保に謝意を示した。今後の漁業については「尖閣周辺の潮流が良くなるので、天候に注意して続けられれば。市の発展につなげるため、淡々と漁をするだけです」と話した。
尖閣諸島周辺では、石垣市議の仲間均市議も同時期に操業。一時的に漁船3隻が操業し、仲間氏はふるさと納税返礼品確保のため操業が行われていると指摘していた。
市企画政策課の佐渡山拓巳係長は「尖閣諸島周辺の豊かな海域で採れたアカマチを味わってもらうとともに、漁業者の支援につなげたい。尖閣の抱える問題を、多くの人に知っていただきければ。(寄付者の)皆さんの手元に届くのが楽しみ」と話した。
市がふるさと納税の返礼品として提供を始めた「尖閣アカマチ」の寄付は、それぞれ3万円コース(アカマチ1㌔)62件、5万円コース(同2㌔)12件、10万円コース(同5・5㌔)11件の、全85件、総額356万円が集まっていた。
寄付金は、尖閣周辺の情報収集やデジタル資料館の整備、海洋調査などに運用される。