石垣市は26日午後、行政と中小企業関係団体が意見交換する中小企業振興会議を市役所で開き、人手不足の実態や対応策を議論した。委員からは、外国人労働者の採用を積極的に進めるため、行政の後押しが必要との意見が出た。中山義隆市長は、主婦に1日数時間ほど働いてもらう仕組みを提案した。
委員として参加した観光交流協会の大松宏昭会長は外国人の採用について、海外でプロモーション活動をすべきと指摘し、行政の助成金を求めた。中山市長は「主婦が(午前)11時から2、3時間働ける仕組みを作れたら」と提案。大松氏も「主婦を労働力として使うのは良いアイディア」と評価した。
外国人労働者の受け入れについて、農林水産業の各団体からは、既に域内で実施例があるとの報告があった。水産業では専用の宿泊施設の整備もしているという。
金融関係者からは、人材確保の成功事例として、顧客の飲食店が空き家を取得し、従業員用の寮として活用していることが紹介された。
中山市長は業種ごとに事業所を集約させ、人手不足を解消する方法を提案。「島全体で仕事を取るべきだ」と訴えた。建設業界の関係者は、同業界は多くの事業所が単体で経営しており交流は難しいと指摘した。
九州経済調査協会の大谷友男氏が石垣市経済の活性化策を提言。人手不足解消のために「人材確保と生産性の向上が必要だ」と訴えた。
中小企業振興会議は石垣市や市内の業界団体、金融機関で構成される。今年度のテーマである人手不足解消を目指し、中小企業の振興に向けた取り組みを立案する。同日の会議では、現状調査のためのアンケートについて事務局から説明があり、委員から項目の修正案などが出た。