第2回宮良當壯賞の授賞式と祝賀会(八重山日報社主催)が17日、市内ホテルで開かれ、県指定無形文化財八重山民謡技能保持者の伊良皆高吉氏(81)、県立芸術大学名誉教授の加治工眞市氏(80)が表彰された。会場には関係者らが駆け付け、2氏の功績を祝した。
伊良皆氏は「先輩方が私の進むべき道を与えて下さった。それが今の賞につながった」と先駆者に感謝。「先達が残してくれたものに一歩でも近づきたい。それが死ぬまでの務めだ」と力を込めた。また、自身が2000年の沖縄サミットで行った乾杯の音頭を再現。「これからも頑張ります」と締めくくった。
加治工氏は琉球大学の学生時代、宮良當壯の特別講座を受けて方言研究の道に進んだ秘話を紹介。「宮良先生の跡を継いで方言研究をしていった。その功績を受け継ぐような賞を頂き、本当に感謝している。これからも背中を追いながら、一生、方言研究に力を注いでいきたい」と今後の抱負を述べた。
授賞式では選考委員会の石垣繁委員長が2氏の功績を紹介。伊良皆氏は八重山民謡を全国・世界に発信した第一人者として、加治工氏は鳩間島を中心に県全体から俯瞰(ふかん)した方言研究が評価された。
八重山広域市町村圏事務組合理事長の中山義隆市長は、2氏の青年時代の話などを交えて祝辞を述べた。玉城デニー県知事の代読での祝辞などもあった。
祝賀会の部では、竹富町の前鹿川健一副町長が西大舛高旬町長の祝辞を代読。石垣市文化財審議委員長の石垣博孝氏が乾杯の音頭を取った。
余興では伊良皆氏の家族による「鷲の鳥節」や、石垣在鳩間郷友会の「鳩間中盛」などが披露された。