県は15日、今年2月の八重山入域観光客数は11万1901人だったと発表した。対前年同月比で3万188人(36・9%)増加した。新型コロナウイルス禍前の2019年2月を上回った。
沖縄県では、2018年度(18年4月から19年3月まで)に、県全域の入域観光客数999万9000人(過去最高)を記録。翌年度から新型コロナウイルス禍の影響で減少に転じた。
24年2月は、県全域で過去最多となった19年2月以上の観光客が八重山を訪れた。3連休が2回あり、チャーター便の運航やクルーズ船の寄港も増加を後押しした。
八重山ビジターズビューローの我那覇宗広専務理事は「円安と日本以上のインフレ率を敬遠した旅行者が、海外ではなく国内を選んでいる」と分析。沖縄や北海道、京都などの国内観光地を目指す旅行需要を、八重山地方も取り込んでいるとし、「5月の大型連休に向けて好調な状況は続く」と期待した。
我那覇氏の指摘どおり、好調な状況は続いている。入域者を今年1月と比較すると、1万9531人(21・1%)増加した。内訳は、県外からの空路で3775人(8・9%)、県内からの空路で4651人(14・6%)、海路・クルーズ船で1万622人(59・6%)、それぞれ増えた。
国内路線は、対前年同月比で1万4292人(17・5%)増加した。
クルーズ船は県外から3回、海外から7回、それぞれ寄港した。観光客数は2万8643人(県外1万2319人、海外1万6324人)、増加した。
17日、商店街のユーグレナモールは、観光客を中心に多くの人で賑わっていた。
石垣市公営市場の金城製麺の従業員は、昨年同時期より倍の客が訪れていると実感。「観光客が戻って来てありがたい」と笑顔で答えた。ただ、昼時は人数を制限するなどし、夏の繁忙期に向けては「なんとか対策して乗り切りたい」と話した。
タクシー乗務員の1人は「観光客が戻ってきた感覚はある」と答え、忙しさを実感している。昨年同時期と比べ売り上げも上がったといい「運転手の人員も戻り、活気付いているのでは」と話した。