石垣市は27日、来年の夏以降に開設を予定する台湾基隆と同市を結ぶ定期船フェリー航路について、使用船舶を保有する新法人を来月に設立すると発表した。市商工会の大濱達也会長が代表を務める。
韓国の株式会社パンスター(キム・ヒョンギョム会長、韓国)の「パンスタードリーム」(2万1535㌧)を購入し、台湾の華岡集團(ワゴングループ)に運航管理を委託する。船舶の購入契約を今年中に完了させ、来年6月以降に船舶が引き渡される予定。同8月以降の航路開設を目指す。
パンスターが新しい船舶を導入するタイミングでパンスタードリームを購入する。購入費は30億円で、国の離島活性化推進補助金の活用を視野に入れる。国の8割補助を受け、残る2割を市の予算で充当する計画で、計6年間で完済する予定。初年度に4億円、次年度以降に5億円、最終年度に6億円を計上する。
新法人の規模も調整中で、1億円以下の規模を想定するが、大濱氏は「地元の企業にも話をして進める」と述べた。中山義隆市長は国の補助金の額に合わせ増資するか判断するとした。
定期船は週3便の運航を予定。石垣港と台湾北部の国際貿易港・基隆の間を夜間に約8時間をかけて結ぶ。
市は6月までに「パンスタードリーム」の購入を決定。計5つの候補船から、同船を選び、既に書類上の手続きを完了させている。
中山市長は「定期航路を開設し、石垣に住む全ての皆さんが恩恵を享受できるよう取り組む」と強調。大濱氏は「9月中に購入契約を完了させたい。市の出資やサポートを受け、地域に根差した企業を目指す」と力を込めた。
購入予定の船舶は「さんふらわあくろしお」の名称で数年間、日本の国内航路で就航。現在はパンスターが釜山―大阪間で使用している。
1997年に三菱重工下関造船所で建造されたフェリーで、全長160㍍、喫水6・17㍍、旅客定員は545人。20フィートコンテナ180台分の積載量がある。免税店やコンビニ、大浴場などを完備。客室として複数のスイートルームがある。