八重山広域市町村圏事務組合議会(箕底用一議長)は16日、沖縄県庁と県議会を訪ね、尖閣諸島周辺海域に係留ブイ設置を求める意見書を提出した。県側は「国際情勢を踏まえつつ、国と連携して進めていきたい」と述べるにとどめた。
尖閣海域での漁労は日帰りが難しく、ほとんど周辺海域で停泊する形態となることから、「夜間の潮の流れや風向きを考慮し、安全に停泊することが求められる」と強調。安全対策として船舶の安全安心を守るための係留ブイの早期設置を求めた。
箕底議長は「海保は島から1マイル以上近づくなと漁民に啓発しているが、錨が下ろせる海底の浅い場所は1マイル以内にあり、少し離れると海底には錨が下ろせない。島陰に係留ブイがあれば急な天候不良にも対応でき、燃料費の節約などコスト軽減にもつながる」と主張。
また、係留ブイがあることで、これまで尖閣周辺へ漁労していない漁民も安心して出漁でき、好漁場のため水揚げも大幅に増えることも期待されると強調。「船主の収入や乗組員の報酬の向上にもつながる」と訴えた。
同行した大浜一郎、次呂久成崇県議は「沖縄県の行政区域である漁場に関しては県独自で係留ブイの設置ができるのではないか」とただした。箕底氏によると、県側は農林水産部漁港漁場課の仲地克洋課長らが対応し「すぐには答えられない」と回答した。
県議会の中川京貴議長にも要請した。中川議長は「県議会メンバーを連れて尖閣周辺に行き調査を行いたい」と述べ、尖閣調査にも意欲を示した。そのほか学校給食の無償化を求める意見書、八重山地域で高等学校の水産課新設を求める意見書を県庁、県議会に提出した。