石垣市主催の「みんなで学ぼう石垣市民防災フェア」が27日、市役所で開かれ、各関係機関が防災をテーマにした展示を行った。「石垣市民防災の日・防災週間」の一環。米軍、自衛隊が警察、消防、気象台などと並んでブースを設け、会場は家族連れなど大勢の市民でにぎわった。
初参加の米軍はスタッフ約30人。1時間で海水68㍑、淡水83㍑を真水にできる浄水器を展示した。ドローン、軍用犬も披露した。ホットドッグ千個を無料配布し、昼食時は長蛇の列ができた。救命セットや3Dプリンターも並べ、専門家が昆虫について教えるコーナーもあった。
自衛隊は石垣駐屯地などから約80人が参加。大型重機やトラック、人命救助システム、渡河用ボート、偵察バイク、小型車両、救急車などを紹介。子どもたちが機材に触れて記念撮影する姿も見られた。
避難所などでも行われる野外炊事の一環で、カレーを千食提供した。
消防や警察は関連車両を配置した。気象台は津波発生装置を初めて展示。職員が長周期地震動や液状化の仕組みを模型を使って説明した。
家族と共に参加した濱川愛叶さん(8)は米軍のホットドッグを食べ「甘かった」と感想。大城詩さん(12)は気象台のブースを見た後、「サンゴ礁は津波の被害を抑えてくれる。分かりやすい説明だった」と満足気だった。
江戸時代の「明和の大津波」で八重山地域は、壊滅的な被害を出したため、石垣市は毎年4月24日を「石垣市民防災の日」、同日から1週間を「防災週間」に設定。市民に防災意識を啓発するため、同週間の休日に、市役所を開放し防災フェアを開催している。