石垣市は7月31日、建設部の20代男性職員が有料駐車場の売り上げ金を着服していたため、同日付で懲戒免職処分にした、と発表した。中山義隆市長は記者会見で「このようなことが起こらないよう、市民の信頼回復に向け、再発防止に全庁を挙げて努める」と陳謝した。
市によると、職員は建設部の主事補。2019年5月から20年3月まで11カ月にわたり、現金で徴収した有料駐車場の売り上げ金総額166万4810円を着服した。市の調べに対し「生活が困窮していた」と話しているという。
今年3月、帳票をチェックした担当課長が不審な点に気づき、出納整理期間の5月まで調査を行って着服の事実を把握した。職員は回収した現金を銀行に入金する際に着服する手口。監督する立場の職員も、回収額と入金額が合致しているかのチェックを怠っていたという。
着服が発覚した職員には、複数の公文書の保存を怠った非違行為も見つかった。
市は、指導監督が不適正だったとして、同日付で建設部長を訓告、担当課長を戒告、担当係長を3カ月の減給(10分の1)処分とした。今後、着服した職員を業務上横領で刑事告訴することも視野に入れる。
石垣市の職員は最近、複数の職員が刑事事件で逮捕されたり、着服が発覚するなど、不祥事が相次いでいる。中山市長は自らの責任を問われ「市の業務に対する監督責任がある」と述べたが「私自身の処分は考えていない」とした。
川満誠一副市長は「現金の取り扱いのチェックがおろそかになっていたことは大変申し訳ない。(相次ぐ不祥事を受け)課長級職員に対する研修を行ったが、課長補佐級や係長級職員にも研修を広げたい」と強調した。