中山前市長「事業前に進める」 再出馬明言、出直し選へ 石垣市長選

記者会見で5選出馬の意向を示した中山氏=17日午後、石垣市の事務所

 石垣市の中山義隆前市長(58)は17日、市内の事務所で記者会見し、自身の失職に伴う8月17日の市長選に立候補する意向を示した。市長時代に推進した台湾基隆―石垣航路開設やゴルフ場建設、牛肉の海外輸出に向けた食肉センター整備を挙げ「さまざまな事業を確実に前に進めるために、市政を再び担わせていただきたい」と述べた。
 20日の参院選後に正式な出馬表明の記者会見を開く。中山氏の再出馬で、市長選は市政史上初の出直し選となる。
 中山氏は専決処分の文書改ざん問題で市議会から不信任決議を受けて失職したが、与党は引き続き再出馬を支持している。
 中山氏は文書改ざんについて「事務方のミス」と陳謝。市議会で不信任案が否決されても野党が百条委員会を設置し、市長選まで混乱が続く事態が予想されたと指摘した。
 自らと与党で話し合い、不信任の受け入れを決めたと説明。「報道以上の情報がない中で、与党が不信任案に賛成したのを見て『与党も中山を見限った』というイメージを持つ人もだいぶいる」と述べ、市民や自民党関係者に対し、失職に至る経緯の説明に努める考えを示した。
 従来と同様に自公で選挙協力体制を構築したいとしたが「(体制構築が)仮に選挙に間に合わない場合でも、自民党市議団の支援体制はしっかりある。選挙に出る意思は変わらない」と強調した。
 市長選には既に市議2人が立候補を表明している。想定される争点を問われ「台湾航路、ゴルフ場に反対する人もいる。仮に他の2人が市長になると、私が考える石垣の発展の方向性がストップする可能性がある」と述べた。
 石垣市で前例のない5選を目指すことになり、選挙戦では多選批判が予想される。中山氏は「私が前市政の長期政権を批判して戦った時は行政の組織が硬直化し、経済が疲弊して将来に希望が見えなかった。私がやった4期が前回と同じかどうか、ぜひ市民に見ていただきたい」と呼び掛けた。
 自民党石垣市支部の候補者選考委員会は16日、市長選に中山氏の擁立を決定していた。市長選には市議の箕底用一氏(44)、市議の砥板芳行氏(55)が出馬表明しており、両陣営の一本化を図る動きもある。

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