「排除許さず」「言論封殺」 決議巡り与野党激論

自衛隊及び隊員とその家族に対する差別的な風潮を改め、県民に理解と協力を求める決議(全文)

 8日の県議会9月定例会最終本会議では、自公が提出した「自衛隊および隊員とその家族に対する差別的な風潮を改め県民に理解を求める決議」を巡り、与野党が白熱した議論を繰り広げた。

 新里治利氏(自民)は「沖縄全島エイサーまつり」から自衛隊を締め出そうとした革新系政治家や団体の動きについて「不可侵である伝統文化への政治的介入という一線を超える行為」と糾弾。「自衛官だからと言って排除するのは、自衛官の職務を軽んじる行為で差別的風潮を助長している」と指摘した。

 与党から、決議は自衛隊の意をくんだものではないかとの質問を受けた大浜一郎氏(自民)は、自衛隊関係者からヒアリングしたことは認めた上で「自衛隊は逆に静かにしてほしいと思ったかもしれない。自衛隊の意向を踏まえたということは明確に否定する」と強調した。

 新垣淑豊氏(自民)は「自衛隊への抗議の意を示すことを問題としていない。自衛隊の役割や努力を理解していただいた上で、抗議や意見を出していただくことが重要だ」と述べた。

 次呂久成崇氏(おきなわ新風)は「決議案には県内外の憲法学者122人から言論封殺に道を開きかねないと抗議する声明が県議会各会派に届けられている」と危ぐ。

 瑞慶覧長風氏(社大)は「自衛隊には、旧日本軍を継承する姿勢が随所に見られてきた。県民が自衛隊に対し恐怖や不安、違和感を感じ抗議を行い、時に宣撫工作に対しても意見を表明するのは当然の権利だ」と訴えた。

 西銘純恵氏(共産)は「何をもって『差別的風潮』と言っているのか。沖縄を再び戦場にしてはならないと考えている人に対して、提案者の言う防衛政策が正しいから理解しろというのか。決議は憲法の平和主義や基本的人権を否定するのではないか」と抗議。

 幸喜愛氏(てぃーだ平和ネット)は「決議は思想、良心への自由への介入にほかならない。県議会が一方の立場を理解せよと呼びかける時点で、意見表明の自由を実質的に制約する効果を持つ」と危機感を示した。

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